ド畜生黙示録

オタク的ないろんなこと

悪意には騙されないようにしよう

先日、とあるゲームのレビューに否定的な書き込みを行ったところ、ちょっとバズった。

こちらである。

全文掲載。

間違いなく素材は良かったゲームでした。
ソウルライクに触ったことがない私でも手を出して、遊ぼうと思える作りになっていたはずでした。
ところが何を思ったのか、EAで集めた金を正規の声優でもない配信者に投げ続け、挙句の果てに主人公ではなくもはや何の関係もないキャラクターを全面に押し出し始めて心底がっかりしました。

私はVtuber全体に良い印象を持っていませんが、それ以上にこれはゲーム業界、特にインディーゲーム業界への信用失墜行為です。
Steamによれば、EA(アーリーアクセス)は、『製品開発のクラウドファンディングではありません』、『早期アクセスは予約購入ではありません』とのことです。 引用:(https://partner.steamgames.com/doc/store/earlyaccess?l=japanese)より
本来であれば、EAというシステムは、ゲームを開発しながら順次公開し、それに対するプレイヤーからのフィードバックを得て、最終的なリリースに向けて改善していくというものであるはずなのです。
ところが、このゲームは公開から製品版開発までの間、一切の更新がありませんでした。
開発側によれば、表になっている部分とは別でゲーム開発を行っているということでしたが、実際に制作過程のゲームをプレイしたプレイヤーがいない以上、一切のフィードバックを受けていないということになります。
更に、pixivfanboxなどの支援サイトで露出の際どいイラストを公開することで、EAとは別途で集金し、そのお金をあろうことかアニメや配信者に対するアプローチなど、全くゲームと関係のない部分に使い続けました。
どのようなコンテンツに仕上げるのかは製作者の匙加減ですし、Vtuberを声優として起用しようがそれは製作者の自由でしょう。卑猥なイラストでユーザーを釣るのも自由でしょう。(実際可愛さに釣られてゲームを購入したのは私です)
しかしながら、EAという形でゲームを販売すると、話は変わってきます。
再三になりますが、EAは”クラウドファンディングではない”のです。プレイヤーからフィードバックを得て、より良いゲームを作り上げるためのものです。
それを、アニメや声優(ですらない配信者)、イラストに投資していたのでは、EAの理念に反します。これらはより良いゲーム体験に一切関係ありません。EAのルールに完全に反しています。百歩譲ってゲーム内のスチルやボイス、音楽、キャラソング、などならゲームの構成要素になり得ますが、ゲームと性質が離れたコンテンツは、当たり前ですがゲームではありません。それはアニメや絵です。
このようなことが一度発生してしまうと、プレイヤーはEAのゲームを購入することを躊躇うようになります。熱心なゲームファンであれば玉石混交なEAのゲームを購入することもあるかもしれませんが、普通のゲームプレイヤーは普通、製品版のみを買います。フィードバックを得づらい土壌が出来上がってしまうのは言うまでもありません。

ゲーム開発に不誠実な運営が全てを台無しにしたゲームです。完成後のゲームの出来に関わらず、EAのルールに反したこのゲームを許すことは出来ません。

最後に堅苦しい文言を取っ払って一つだけ。

金返せ。声優に当てた金全額ユーザーに返金しろ

これは何かというと、Little Witch Nobetaというインディーズゲームのレビューである。

事の詳細はレビューに書いた通りであり、実際に調べていただければわかる通りである。

改めてざっくり説明するならば、

アーリーアクセスでリリース

評判になり、ゲームの中身も好評

fanboxなどでセンシティブな絵を公開するなどして集金

なぜかホロのVをゴリ押しし始め声優に起用

その間ゲーム開発の進捗情報がほぼ皆無

アーリーアクセス版の更新は現在に至るまで無し

そのまま製品版発売に踏み切る、しかも限定版は高価な上に何故かVのパッケージ

といったところである。
そもそもな話、インディーゲーを好んで遊ぶような購買層にVが好きという層はあまり重ならない。偏屈なオタクが多すぎるからである。
声優起用の時点で炎上は免れなかったが、それ以上に開発に対する態度の不誠実さが反感を買い、今やSteamの好評だったレビュー欄はやや不評というところで落ち着いている。

私が書いたことのほとんどに嘘偽りはない。
間違いなく私の思ったところであるし、話題作として世の中に正式リリースされることを待ち望んでいた一人であった故のレビューである。

しかしながら、このレビューの中には、一つ大変大きな嘘がある。

私はVtuber全体に良い印象を持っていませんが、それ以上にこれはゲーム業界、特にインディーゲーム業界への信用失墜行為です。

この部分だ。

ご存知の通りか初耳かはさておき、私はVtuberという業界全体の大のアンチだ。この世に生まれたこと以上に憎むほどのアンチだ。(赤月ゆにしか勝たんみたいな話は横においておくとして)

だから、”それ以上に”というところが真っ赤な嘘である。
業界に対する信用失墜行為だというのに間違いはないが、それ以上にVのアンチだ。だからここまでのレビューを書く気になったと言っても過言ではない。
まぁ実際に事を詳細に調べていくにつれて、もはやVがどうの以前の問題だったという結論に帰着はするのだが。

人に何か意見を訴えかける時、全てを馬鹿正直に書いてしまっては、世の反感を買うものである。
Vのアンチが、V周りの騒動にVのアンチです!と言いながら首を突っ込んだのでは自爆も当然、ということである。なぜなら、それはVのアンチの暴走にしか見えないからだ。

故に、重要な部分は意図的に隠す必要があるのである。
反感を買わないように、いかに誠実に文章を書いているように見せるか。それが重要だ。

このレビューは、ほぼ衝動で書いた。
しかしながら、この反響を見るに、ただのVアンチのレビューというところに留まらない立ち位置になってしまったのだろう。
もう既に最も参考になったレビューとして一番上に出てきてしまっているし。

どうも、私は無意識に人を騙してしまっているらしい。

そこで、私のような悪意ある人間から身を守るために、今回はこの文章を少し解剖していこうと思う。

間違いなく素材は良かったゲームでした。
ソウルライクに触ったことがない私でも手を出して、遊ぼうと思える作りになっていたはずでした。
ところが何を思ったのか、EAで集めた金を正規の声優でもない配信者に投げ続け、挙句の果てに主人公ではなくもはや何の関係もないキャラクターを全面に押し出し始めて心底がっかりしました。

これは序文である。これから書く内容を、端的にまとめたものだ。

まず、”素材は良かった”として作品を肯定する。
ただのアンチではない、ゲームに期待していた一人だった、という表明を行うのである。
更に、”私はソウルライク初心者だった”として、興味を惹かれる魅力があったとも言う。ちなみにこれは嘘ではない。購入時点でソウルライクはほぼ触ったことがなかった。

ここで話題の転換を行う。
”ところが”として、事態が急変した様子を表す。
そして”心底がっかりした”と、感情を顕にする。
肯定と否定を織り交ぜ、中立を装い、その上で最後に否定を行う、といった手法だ。

何かを述べる時は、事実と主観を明確に分ける必要がある。
ここでは、”EAで集めた金を正規の声優でもない配信者に投げ続け、挙句の果てに主人公ではなくもはや何の関係もないキャラクターを全面に押し出し始め”たことが事実であり、”心底がっかり”したのは私の主観だ。

どちらか片方だけでは、人に訴えかけるような文章は作れないのだろう。
事実だけでは心への訴えかけができないし、主観だけでは客観性に欠ける。
そしてなるべく事実が多い方が良い。その方が誠実な文章に見えるから。

私はVtuber全体に良い印象を持っていませんが、それ以上にこれはゲーム業界、特にインディーゲーム業界への信用失墜行為です。

先程も述べたが、ここには嘘が交わっている。

主訴はVクソ喰らえだ。その副次的な理由として、ゲーム業界の行く末を憂いている。

だがそれを馬鹿正直に表明して何になるのだろう?
ただのVアンチが、理由をこじつけてVを叩いているようにしか見えないだろう。
だから理由をすげ替えてしまうのだ。
その上で、Vのアンチだということは、マイルドに表明する。

その結果生成されるのが上記の文章だ。
Vが嫌いだということをさも隅に置いているかのように見せるのである。

公開している情報は、多ければ多いほど誠実に見える。
しかし、その公開された情報が過激すぎると、かえって反感を買う。
だから、嘘にならない程度にできるだけマイルドに。

いかに嘘をつかずに嘘をつくか、ということである。

Steamによれば、EA(アーリーアクセス)は、『製品開発のクラウドファンディングではありません』、『早期アクセスは予約購入ではありません』とのことです。 引用:(https://partner.steamgames.com/doc/store/earlyaccess?l=japanese)より

この部分は引用だ。
アーリーアクセスという仕組みを、Steamがどう解説しているのかを提示する。

事実を含ませる際には、引用が大いに役立つ。
論文も引用だらけなのは、自分の意見を補強するか、あるいは信憑性を持たせるため。
”私はこう思いました”だけでは論文は成り立たない。

何かを訴える時も同じだ。
信用できる第三者の言を借りるに越したことはない。

本来であれば、EAというシステムは、ゲームを開発しながら順次公開し、それに対するプレイヤーからのフィードバックを得て、最終的なリリースに向けて改善していくというものであるはずなのです。
ところが、このゲームは公開から製品版開発までの間、一切の更新がありませんでした。
開発側によれば、表になっている部分とは別でゲーム開発を行っているということでしたが、実際に制作過程のゲームをプレイしたプレイヤーがいない以上、一切のフィードバックを受けていないということになります。

そして、その引用された内容を改めて解説し、そのルールにこのゲームが反しているということを示す。
本当であればこの開発側の言も引用するべきだったと思う。
実際に言っていたのは間違いないがめんどくさかったので。論文書くんじゃあるまいし。この程度で十分かと。(怠慢)

繰り返すが、これらは事実だ。
アーリーアクセスというシステムはいわゆるクラウドファンディングとは違う。
ゲームならではのシステムかもしれない。

デベロッパーは、開発の進捗をゲームという形で、購入者に見せる必要がある。
もちろん、それは義務ではない。完成させる義務もない。
アーリーアクセスのゲームで完成しなかったゲームなど、ごまんとある。

しかしそういうゲームは一部のゲーマーが語り草にするくらいで、普通のゲーマーはAAA級タイトルかいいとこ有名インディーくらいしか遊ばないから話題にならないだけ。

ただノベタの場合は少々勝手が違う。
大体、完成しないゲームは製作者がほっぽり出して自然消滅するとか、プロジェクトがおじゃんになるとか、そういう終わり方をする。
ノベタの場合は、プロジェクトが進行し続け、ゲーム”以外の”進捗は常に見せられていたのである。

このフラストレーションがわかるだろうか?
あの頃話題になったのは、”ロリっ子が主人公のソウルライク”であって、”Vtuberが声優として参加するゲーム”ではない。
獲得されたファン層と、打ち出した宣伝方略がちぐはぐなのだ。
開発側の趣味が暴走したとしか到底思えない。

ゲーム部分を公開しないことでどんどんとファンは離れていき、別のファンがその席を埋める。
その頃にはもうゲームをゲームとして遊んでいたファン層はいなくなる、ということになる。
全くもって馬鹿馬鹿しい話だ。

ちなみに、本来であれば~ありませんでした。までは事実、それ以下は事実から推論されることである。

ひょっとしたら、開発者は無作為にプレイヤーに対してフィードバックを求めていたかもしれない。
まぁそんな話はつゆも聞かないのであり得ない話ではあるが。

事実でなくても、飛躍しない限り、その事実から導き出される新たな事実ないし推論は、主訴を補強することが可能だ。

ゲームの開発進捗がEAに反映されない→プレイヤーが進捗過程をプレイできない→フィードバックがない

という具合である。何の違和感もないだろう。
そして、フィードバックを受けていないような状態では、EAというシステムの理念に反する、という開発者の落ち度を示す。 これだけでも誠実な理由に見えないだろうか?

更に、pixivfanboxなどの支援サイトで露出の際どいイラストを公開することで、EAとは別途で集金し、そのお金をあろうことかアニメや配信者に対するアプローチなど、全くゲームと関係のない部分に使い続けました。

畳み掛けるように、開発側の落ち度を示す。
主訴の補強だ。

集めたお金をそのままVのギャラに使ったかどうかは、当然ながら不明だ。はっきり言ってここまで言い切るのは嘘に近い。
だが訴えには勢いも必要だ。
ギリギリ嘘に近いような推論でもこちらに分があるのなら押し切ってしまう。

”露出の際どい”、つまりR-18ギリギリみたいなエロイラストということだが、カジュアルな表現を用いるのではなく漢字多めで。頭が良さそうに見えないか?
しかも、ゲームに期待していたのに、エロで釣ろうとしているという不誠実さも滲み出てくる。
開発を糾弾する理由にはもってこいだ。

まぁ俺はエロ好きだからそれはどうでもいいんだけど。

どのようなコンテンツに仕上げるのかは製作者の匙加減ですし、Vtuberを声優として起用しようがそれは製作者の自由でしょう。卑猥なイラストでユーザーを釣るのも自由でしょう。(実際可愛さに釣られてゲームを購入したのは私です)

ここまで糾弾しておいて、一旦それを保留し、譲歩する。
どのような開発をしようが自由である、というスタンスを見せるのである。
さらに、自分も先述した内容の一端である、とも述べる。

あくまで私は中立な第三者、あるいは悪意のない、誠実なレビュアーであるという姿勢を取るのだ。
一方から石を投げ続けるのでは、訝しげに見られても仕方がない。

クリエイターがどのようなものを作ろうが、それはクリエイター側の自由だ。表現の自由は担保されるべきである。これは普遍的な事実。

しかしながら、EAという形でゲームを販売すると、話は変わってきます。
再三になりますが、EAは”クラウドファンディングではない”のです。プレイヤーからフィードバックを得て、より良いゲームを作り上げるためのものです。
それを、アニメや声優(ですらない配信者)、イラストに投資していたのでは、EAの理念に反します。これらはより良いゲーム体験に一切関係ありません。EAのルールに完全に反しています。百歩譲ってゲーム内のスチルやボイス、音楽、キャラソング、などならゲームの構成要素になり得ますが、ゲームと性質が離れたコンテンツは、当たり前ですがゲームではありません。それはアニメや絵です。

しかし、この場合では話が違う、というように続ける。
もちろん、どのようなものを作ろうが自由だが、批判する自由も同様に残されている。

EAにも関わらず、フィードバックを得ようとしない姿勢は不誠実である、と説くのである。

これはモラルの問題だ。
法に反しているわけでも、規約に違反しているわけでもない。

だがゲームを開発するものとして、EAでお金を集めたにも関わらず(しかもEA以上のお金が支援サイトで集まっている)、ゲームと関係のないものの開発を大々的に行っていたのでは、非難されて当然だ。
その道理をここで述べる。

”再三になるが”といったように、重要なポイントは何回も述べることは効果的。

このようなことが一度発生してしまうと、プレイヤーはEAのゲームを購入することを躊躇うようになります。熱心なゲームファンであれば玉石混交なEAのゲームを購入することもあるかもしれませんが、普通のゲームプレイヤーは普通、製品版のみを買います。フィードバックを得づらい土壌が出来上がってしまうのは言うまでもありません。

これは、このことによって一体何が懸念されるのか?ということを示したものだ。
モラルの問題なら守る必要もないだろう?というのを一蹴する。

EAでもうゲームは買わなぁいとなるライトな購買層が増えることも問題だし、製作者からすれば購買層が薄くなるのは大問題だ。
双方にとって何の利益もない。

この問題によって、どのような結果になるのか?というのを示すことで、問題意識を持ってもらうことが可能である。
多少こじつけだとしてもね。

ゲーム開発に不誠実な運営が全てを台無しにしたゲームです。完成後のゲームの出来に関わらず、EAのルールに反したこのゲームを許すことは出来ません。

これまでの内容を本当に短い文でまとめる。
問題なのはVではなく、開発の不誠実さ。そして、ゲームの完成度がフィードバックなしで高かったとしても、そもそも進捗を公開しなかったことが問題なのだ、という点を強調する役割を担う文だ。

そして最後に、

最後に堅苦しい文言を取っ払って一つだけ。

金返せ。声優に当てた金全額ユーザーに返金しろ

これは一見マイナスな要素に見えないだろうか?
ただの主観というか、願望である。言葉も荒々しい。

しかし、ここまでの文の体裁を見てほしい。
なんと誠実なことであろうか!
こんな誠実な文を書く人が、内心ここまでの怒りを溜めて、堪えて文をこしらえたのだ!と印象付けるのだ。

だから、わざとこうやって書いている。
なんならこっちが主訴まである。
だが、荒々しい主訴というのは往々にして通らないものだ。
それをメインに据えるのではなく、脇役、ほんの脇に据えて、あらゆる口実を付け加えて、最後に細々と主訴を述べるのだ。


我ながら趣味が悪いと思う。

嘘と本当を織り交ぜるなんて詐欺師のやり方だ。

だって、とりあえずVが嫌いだから流れに乗って、綻びを探して、わざわざアーリーアクセスのルールを調べて、何がどう悪いのかを確認して、主訴をあべこべにして文章書いてるんだからやり口があまりにも汚すぎる。

だがまぁ、文章の基本は割と整っていると思う。

はじめ→なか→おわり

ないし、Abstract→本文→結果→考察みたいな構成がしてある。

ある程度基本さえ押さえておけば広いネットなら多少受け入れられるんだなぁと。


それはそれとして、このゲームに心底がっかりしたのは事実だ。

開発され続けているのに、一切の更新がないアーリーアクセスのゲームなんて初めて見た。

ロリソウルライクなんてジャンル、きっと金輪際現れないし、あったとしても後追いになってしまうだろう。
それだけにあのゲームに期待が集まっていたのは本当なのだ。
そしてゲームの出来が非常に良く出来ていたのもれっきとした事実なのだ。

それがど~してああなってしまったんだか本当に謎だ。

いちゲーマーとして許しがたい事件である。

ぶっちゃけ、調べているうちにVがどうのより開発があまりにずさんということの方にいらだちを覚えるようになった。 正直Vなんてボイスオフ機能さえ実装してもらえればどうでもいい話だし…


とまぁ、こんな悪意たっぷりの人間が文章をしたためるとどういうことになるのか、という話。
インターネットに現れるような怪しい人には騙されないようにしようね。