ド畜生黙示録

オタク的ないろんなこと

劣等

先日こんなことをしている場合ではないなどとほざきながら早い事24時間と少しが経過し、私はその件の授業を終えていることになる。

結論から言えば発表自体は終えることができたのだが(ほとんどペアの人に任せきりになってしまった感こそ否めないが)、やはり精神を極限まですり減らす羽目になった。


こういう授業にありがちなことだが、まず雑談とかをさせたがる。

そもそも"雑談をさせる"という日本語の意味が自分でも理解できないのだが、実際そうなっているのだからそう表現するしかない。

初めの人から一人ずつ順番に次の人を指名して、互いにリレーのように雑談をするという、謎の儀式が行われたのだ。

私は息を飲んだ。

あ、これ死ぬ、と。

あいも変わらず皆カメラオンなものだから、自分も喋る時くらいはカメラをオンにする必要があるし、そもそも直近でまともに話題にできることなどあるわけがない。

そんな私の憂慮を横目に皆が皆何かしら日常の話題を持って、〜をしただの〜があっただの話題に尽きぬものだから驚嘆する。

友達の誕生日にノベルゲームを作ったなんて話題がどうやって生きたら出てくるんだ。
バイトで新しいカクテルを覚えただのなんだの、真っ当な大学生的話題が連なる。

私は最後に振られてどうしようもなく、昨日の大失敗話をすることにした。

夕食でパスタを茹でるためにお湯を沸騰させていたのを忘れて、お腹空いたと言いながら出前館でデリバリーをし、チャイムが鳴って届いた時に沸騰させていたのに気づくというTwitter映えするエピソードだ。ちなみに空焚き寸前だったし沸騰させたのを忘れたのは一度や二度じゃない。

話したらゴミを見るような目で見られた。

カメラもオンになっているし、もう笑うしかなかった。

面白くもないのに笑うその様はさながら映画『ジョーカー』のアーサー・フレックである。

見たくもない自分の顔と話したくもないどうでもいいエピソードで、更に空気はお通夜と来たから、私はもうどうすることもできなかった。

発表は上手くいったのかいっていないのか、そんなだからもはやわからないくらいに最初の数分で疲弊しきっていた。

目の前は真っ白だし、頭は痛いし吐き気はするし自己嫌悪の嵐で授業が終わったら寝るしかなかった。


これではっきりしたことだが、私は大学にいる限り、己の無能を延々と突きつけられるのである。

まともな感性を持たず、当たり前のことも遂行できず、不摂生、自堕落、無関心、そういった烙印が、周囲との比較に晒され続ける限り刻まれ続けるのである。

私がしてきた経験と、真っ当な人間がしてきた経験との差が、行動によって明らかになっていくのだ。

周囲との断絶に安堵を覚えるのは、烙印を押されることの恐怖からなのかもしれない。

無能感というより、単に無能であるという事実が白日の下晒されるような気分。


そんな劣等人種には大学にいる場所などあるわけがなく、日に当たることなくさっさと消えるのがお似合いである。

ストレスで眠れないからと夜な夜なドラッグストアに行き、養命酒を買うような人生では先は無いのである。


本当にどうしようもないと思う。

私が言えるのはただ一つ、少なくとも大学は私がいるべき場所ではなかったし、それを拡大解釈するならば生きるべきではないということである。