ド畜生黙示録

オタク的ないろんなこと

今日、明日

今しがた、鬱屈とした気分から眠りこけ、ボケボケの頭でふらふらと起き上がったところである。

どうしようもない気分のときは、ひどい悪夢を見ることが珍しくない。

今日のは特別酷かった。

骨だけの化け物が人間の皮を剥ぎ、それを被って人間のマネをしようとする夢だ。
骨はまるで巨大なトカゲのように這っているし、サイズなんか合いっこないので無理矢理に引き伸ばされてマネどころではない。

自転車で逃げるように走っていき、偶然見つけた警察官との応答は、「悪魔が、来たんです」「それは何かの比喩…ですか」「いいえ、文字通りの、悪魔です」である。

その他にもそこで過ごしていた兎の親が子の兎を逃がそうとするも、諸共餌食になる様子、などいろいろな情景があったのだがこれくらいにしておこう。 
思い出しすぎると夢から抜け出せなくなりそうだ。


夢診断とかそういうのを気にする方では私はない。

しかし、無意識との関係が全く無いとも思えない。

ファンタジーな悪夢なら実はまだ良い方で、生々しい悪夢はもっと最悪だ。

中学時代の同級生の顔ぶれが次々と現れるような夢がある。
7年も8年も前に会ったきりのような面々の顔が次々と現れる、それも当時の姿で。(それ以来会ってないのだから当然と言えば当然だが)

忘れていてもおかしくないのに、むしろさっさと忘れたいのに、無意識のうちでは忘れられていないのだろうか。
日常で思い返すこともないような嫌な思い出が、夢の中では反芻されるのである。

多分、私は当時から精神が成長していない。
中学生に、心を置き去りにしているのである。

いつも心の何処かで、きっとうまくやれた、やり直せたら、こんなことにはならなかったはずなのに、と思っているのだと思う。

その頃から私は、その日を生きる術しか知らなかった。
とりあえずその日をどうにかやりくりして、明日のことなんか気にも留めない、そんな生き方しかできなかった。
それはある種の防衛手段であったし、私ができる唯一の生き方でもあった。

いつだって厭世的だった。
とにかく、今日さえ良ければ、生きることだけはできた。それで良かった。

でも、それでどうにもならない段階まで生きてしまったのである。

ずっと昔から恐れていたことが起きてしまったのだ。

いつかは決断を迫られる日が来るのである。今日さえ良ければなんとかなる日々なんか、とっくのとうに終わっていた。

今日の機嫌をいくら取ることができても、明日は何も変わらないのだ。

だから、今日の生き方しか知らない私は、明日を生きることができない。私は明日を直視できない。

…と、今日の機嫌取りをしながら考えていた。

いくら今日だけを取り繕おうとしても、明日がちらつくとおちおち寿司を味わってもいられない。

鼻が詰まったような錯覚に襲われて、わざとらしく息を吸いては吐いて呼吸を循環させないと味なんかしやしないのだ。

いい加減決断の時が迫っているのだと思う。

腹を括らないとならない。


~おまけ~

今までで一番酷い悪夢の話だ。

私は、とてつもない大きい失恋をしたことがある。
詳細は省くが、6年越しの失恋だ。

オタクの恋愛というのは歪んでいて、恋というより執着に近い。
そもそもの恋が執着なのではないかという話はさておいて。

だから一生涯で一度だけ、と決めている。少なくとも私はそうだ。

中学生の頃の面々の中に、彼女も含まれていて、それは例外ではない。

度々彼女の顔も出てくる。

醜い執着だと思う。 

あの瞬間だけ、どうしようもなく夢の中に閉じこもっていたくなる。
彼女が私の膝の上に乗っている夢を見た。
何もかもが鮮明だった。髪の手触りも、香りも、温もりも、直ぐ側にあるようだった。

甘味で、最悪の悪夢だ。
あの頃の執着を象徴するかのような夢。

決別の時は何時か。