ド畜生黙示録

オタク的ないろんなこと

仕事

こちらに越してきてからかれこれ4年近くになる。

この頃、何気のないことではあるが、実家に比べて訪問販売が非常に多いことに気がついた。

特に電力会社の切り替え。

安くなるので地点番号を…の常套手段から、変化球だとお宅だと変えられないので代わりに…みたいなものまで手口は様々だ。

こちらに越してきたばかりの頃、私はバカなので断り方を知らず、電力会社が二転三転していた。
多分そういう学生を付け狙っているんだろうな、と今になって思う。

思い返せば、実家はあまりに田舎すぎて訪問販売が付け入る余地がなかったのだと思う。代わりに固定電話に対するマーケティングが非常に多かった。それを片手間で断る父親の姿をよく目にしていた。だから私自身が訪問販売に対したことがなかったし、対処の方法も知らなかったのである。

最近では居留守をようやく使えるようになった。インターホンで確認してめんどくさそうだったらそのまま狸寝入りをする。これでやり過ごせるのだとようやく気がついた。
問題は本当に応対しなければいけないような案件だと困ることだが。

今朝はその勘違いでうっかり玄関先に出てしまった。
つい先日、スマートメーターが実際に故障していて交換したものだから、その話だと思ってしまったのである。

玄関先に出てみれば電気が安くなるので…地点番号を…のいつものやつだった。

頭が回っていればさっさと追い返したのだろうが、今日はちょっと具合が違った。寝起きが人生一くらい悪く、あまりの眠さに話されている内容の1ミリも頭に入らないどころか立っていることすらおぼつかなかったのである。

先方が何か話している最中、目を塞ぎ込みながら座り込んで動かなくなってしまったものだから、危うく救急車を呼ばれかけた。横になって安静にしますと言って玄関のドアを閉じた。

基本的に昼夜逆転している上に寝起きが悪いので、寝ぼけたまんまで応対することが多いからこういう事が起こるのである。

先日はわけがわからないままウォーターサーバーの契約をしかけた。
手口はこうである。

30Aだと電気が安くなるんですよ…→20Aなのでならないので代わりにウォーターサーバーをプレゼントしますね…→契約をよく見ると言われた内容よりもかなり高い

といった形である。(これがさっきの変化球というやつ)

あまりにも眠かったので適当に応対していたら契約しかけた。

間一髪、契約書をよく読んでクーリングオフしたから事なきを得た。

よく考えればアパート住まいなのだから、部屋によってアンペア数が違うなどということはありえないのである。寝ぼけてなければこんなことに気が付かないわけもないのだが。


もっと強く断ることの出来る人間なら、こんな苦労もしなかったろうに、と思う。

時々思うのである。彼らは一体何を思いながらこの仕事をしているのだろうか?と。

年は20も30も違うわけじゃない。せいぜい10歳か、下手すりゃ2歳か3歳くらいしか違わないかもしれない、そんな彼らが、一体何を思いながら、人を騙し騙しで成り立つような商売をしているのだろうか?と。

きっと彼らとて、人を騙して毟り取ろうとして就職したわけではなかろうて、そうせざるを得ないからそうしているのだろうと思うと、あまり強く出られないのである。

人間、一人に一つ、仕事を強いられて、生計を成り立たさなければならない。

誰かが騙し、騙されて、そうして社会と誰かの生活が回る。そんな世界。

彼らも、彼らの上司も、そんなことをして、生きていかなければならない。

そう考えると、一体仕事とは何なのだろう?と思う。

そんなもののために私達は辛酸を舐めながらここまで生きてきたのだろうか?

やりきれなくなる。

汗水垂らして人から恨まれることが生業になってしまったら、とてもじゃないが私なら耐えられない。

それでも働かなければならないのが世の常である。あぁ無情かな。

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仕事といえばこれ。

BUMPの『ギルド』。

この頃のBUMP OF CHICKENが一番好きである。

仕事について考える時必ずこの歌が頭をよぎる。

生きることは仕事ではないし、逆に仕事だけが生きることでもないと思う。

世の中は難しい。